私がエルサレムの街にバスで着いた時にはもう夕暮れだった。やっとエルサレムに来られた、とりあえず歩かなきゃ!の一心でバックパックをホステルに置いて街歩きを始めた。
目指したのは嘆きの壁。地球の歩き方も、google mapも見ずにひたすら歩いていたと思う。道の所々にある「Waling Wall」の文字を辿って、足を前に進めていた。
少し開けた場所に出た。遠くに広がるのはベージュのエルサレム石が積み上がった大きな壁と、その前で同じような姿勢をとって祈りを捧げるユダヤ教徒の姿だった。もっと近くに行きたい。しかし手荷物検査のレーンは混んでいた。どうやら混雑する時間帯だったうようだ。
やっと中に入れた。私のすぐ近くでは正統なユダヤ教徒たる証の長いもみあげを蓄えたおじさんが椅子に座って何やらぶつぶつと唱えている。ある人は聖書を片手に、ある人は目を瞑って、皆懸命に祈りを捧げていた。
あたりに耳を傾ける。人はたくさんいるのだが、驚くほど静かだ。誰かと話をしている人はおらず、皆自分のため、世界のために祈りを続けている、そんな厳粛な場所だった。





昼間に嘆きの壁を訪れるとまた違った様相を呈していた。夜と比べて子供のユダヤ教徒が増えた。
バックの岩のドームは相変わらず美しい。












