さて、ここまで長らく持ち物、生活、食事等について書いてきたが、1日20~30kmもの道のりを歩いてようやくサンティゴ・デ・コンポステーラにあなたは到着する。
私は行っていないが、サンティアゴに到着した後も巡礼を続ける方々がいらっしゃる。彼らが向かうのはフィステーラ(Fisterra)というイベリア半島の西の端。サンティアゴから歩いて4,5日で行くことができるし、バスで行く方もおられる。

サンティアゴまであと10km。ガンバレ。

最終日、サンティアゴまであと数kmという地点にMonumento ao camiñanteという場所がある。
大聖堂に向かって高らかと右手を挙げている2体の銅像と写真を撮ることができる。単なる公園に銅像があるだけで、係員などは存在しない。昼時になるにつれて混んでくるので、早めに行くのが良い。

写真を撮って数km大聖堂に向かって歩く。この数km歩く、というのが巡礼期間中には当たり前というかなんとも思わなくなってくる。
「あと5kmか、1時間くらいでいけるかな。」「Google mapはあと2時間か、もう今日の工程の1/3は歩いているんだな。」
とても東京にいると思わないような思考で、あなたは歩みを進めることになる。専ら、歩くこと以外にやることはないので当然なのだが。
サンティアゴ巡礼をやってみようという人は少し変わっていると思う。わざわざ荷物を揃えて飛行機に乗って、言語も異なる違う地で毎日たくさん歩かなければいけない状況に飛び込んでいくのである。ただ、自分の日常とは大きくかけ離れた場所での単なる「歩く」という行動は実際にやってみるととても魅力的で、日本で1時間歩くのよりもはるかに感動的である。
それはおそらく、自分一人の時間がたくさんできるということと、同じゴールに向かって歩く数多の巡礼者の存在によるものだと思う。
巡礼中は本当に暇である。歩くことしかせず、質素な食事をとり夜は早く寝る。否が応でも自分のこれまでの人生、これからの人生について考えるような時間が無限と思えるくらい存在する。
「なんでここに来たんだっけ?」「貴重な数週間の休みを削って、自分は何がしたかったんだっけ?」がなんとなく、わかるような気がする。それは別にわかる必要があるわけでもないが、あまりにも一人の時間が多いので、自然と考えるようになる。

(サンティアゴ周辺はこのように混雑する。それ以外の区間は基本的にあなたの周りに人は少ない)
もう一つが巡礼者の存在である。このブログでもさまざま他の巡礼者の存在については記述してきたが、あなたの足が痛い時に助けてくれるのも、ご飯に誘ってくれるのも、アルベルゲの情報を教えてもらうのも、サンティアゴであなたの写真を撮ってくれるのも他ならぬ、巡礼者たちである。
おそらくもう二度と会わない巡礼者たちのおかげで、あなたは歩けているのである。彼らと一緒に歩いて見た景色はきっと感動的で、なんてことのない山や、雨が止んで現れた青空がもっと綺麗に見えるはずである。
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前置きが長くなったが、サンティアゴ大聖堂に着くと皆が巡礼Pilgrim’s Reception Officeへ行く。少し大聖堂から離れているので注意である。
オフィスの中に入るとパソコンが何台か置いてある。ここに個人情報を入力すると、番号札のようなものを渡される。係員がしばらくすると証明書を作成してくれて、番号か名前を呼んでくれる。

値段は確か3ユーロ。保管用の筒は2ユーロで販売しているので、買ってみることをおすすめする。
巡礼が終わったタイミングでミサに参加することをおすすめする。
サンティアゴ大聖堂でおそらく毎日12:00と19:00にやっている。12:00の回は午前中に巡礼を終えた巡礼者でだいぶ混雑しており、私は入れなかった。

さて、たかだか巡礼証明書について書くのにこの長さにしてしまったが、巡礼証明書のもっと詳しいGETの方法は他のブログにお任せする。おそらくあなたが行くころにはフローが変わっているかもしれないし、繁忙期や閑散期で違っているような気がする。
ただ、指定のオフィスに行くのは変わらないので、そこだけピンに留めておくのが良い。
