今回は巡礼中にどんな食事を摂ることになるのか、をご紹介する。
1日のスケジュールは前回の記事でご紹介した通り。朝は軽くバルで、昼はどこかのカフェかレストランへ、夜は自炊またはレストラン、というのが基本線。とことん節約したい方は常にスーパーで何か買ってゴハンを食べることになるだろう。
朝ごはんで私はコーヒーとトルティーヤを食べることが多かったように思う。トルティーヤはスペイン風のオムレツであり、スペイン中で食べることができる。地域性もあり中に入っている具材やオムレツ自体の形が異なっているので、いろんな場所で食べてみるのが非常に面白い。

アメリカーノとトルティーヤで2,5ユーロくらい。下の写真は今まで見た中で一番分厚いトルティーヤ。

前回の記事でも紹介したMenu Peregrinoは以下の写真のように、前菜(PRIMER PLATO)、主菜(SEGUNDO PLATO)、デザート(POSTRES)がセットになってオトク、というものである。

それぞれから1つずつ選び、計3品が出てくることになる。それで大体9~12ユーロくらい。日本円にすると少しお高めなランチ、という印象だが普通のレストランで食事をするよりは安上がりに済む。


だいたいのお店で肉も魚もベジタリアンメニューももれなくあったような気がする。どれか一つくらいは食べたいと思えるものがあるはずだ。
サンティアゴに近づくに連れて、タコ料理店(pulperia)をよく目にするようになる。ガリシアはタコ料理が有名な地域であり、特にフランス人の道にあるMelideという街は有名である。


この地域で有名なのがPulpo a la Gellega(タコのガリシア風)である。茹でたタコにオイルとパプリカパウダーがかかっているものであるが、これが半端なく美味しいもので、私は何度も食べることになった。スペインの他の街のバルでも何度か食べてみたが、ガリシアのものが一番美味しかった。

日中巡礼を行なっていると、巡礼者に対して果物やお菓子を寄付してくれているスポットがあることに気づく。
これに出会えるかどうかは完全に運なところがあるが、私が一番印象に残っているところは、ヒッピー集団が運営していたホステル?のような場所である。コーヒーとお菓子と、果物は取り放題。とても良くしていただいた。


レストランに行くのも良いが、自炊を積極的にしてみたり、他の巡礼者と一緒にご飯を食べるのもまた楽しい。あなたは毎日20〜30km歩くことになるが、あなたと同じ日に巡礼を始めた他の巡礼者もまた、20〜30kmの道のりを歩いているのである。
泊まるアルベルゲは違うかもしれないが、途中のカフェやバルで何度も会い、疲れて休憩している間に追い抜き、追い越されを繰り返しながら巡礼は進んでいく。
そんな巡礼なので、他の巡礼者とはとことん仲良くなる機会があるだろう。アルベルゲであなたが自炊をしていれば、一緒に食べない?と言われたり、明日は一緒に同じアルベルゲに泊まって料理をしよう、などどいう会話が自然に生まれる。
おそらく一人で行ったとしても、周りの巡礼者のほとんども一人参加である。積極的に声をかけてみるのが良い。
終着点のサンティアゴ・デ・コンポステーラであなたの写真を撮ってくれるのはおそらく、あなたが声をかけ、またはかけられ、ご飯を一緒に食べた方である。