この記事では巡礼のルートとスケジュールの組み方を紹介する。
全ての巡礼者がサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すという共通の目標に向かって、いくつかのルートの中から一つを選択し、歩き始める。
おそらくCamino Francesが最もよく知られているルートで、私もこのルートに沿って歩いた。初めてのCaminoがこのルート、という人が一番多いように思う。
ただ、よくも悪くもCamino Francesは大人気。主にスペイン人の高校生集団も出現するので、非常に賑やかである(修学旅行か何かのイベント)。彼らを避けるためにいつもより早く起きて歩き始めたりもした。
彼らが参加するのは巡礼の最後の100kmであることが多い。そのため、Camino FrancesでいえばSarriaの街から一気に巡礼者が増加する。Sarriaへは電車でもアクセスができるため、始めやすいというのもある。
巡礼証明書をもらうためのルールは、徒歩の場合サンティアゴ・デ・コンポステーラから100km以上を超えた地点からスタートする、というものだけなので、どのルートに則って歩いても問題ない。ただ、情報収集の観点だとCamino Francesが一番出てくると思う。

(引用:https://www.galicianroots.com/en/noticia/las-principales-rutas-del-camino-de-santiago.htm)
私が終着点のサンティアゴで会ったのは、Camino Portugues(ポルトガル人の道)とCamino Primitivo(プリミティーボの道)を歩いてきた方たち。前者は比較的なだらかであるが、後者は険しいアストゥリアス地方の山々を縫って歩くので、なかなかハード。山あいのため、好天にはなかなか恵まれないのが特徴だ。ただ、歩いてきた彼曰く、道中は本当に絶景の連続らしい。
私が一緒に歩いた日本人はCamino Francesの始まりの地、San Jean Pie de Portから30日以上かけて歩いていた。
ピレネー山脈を超え、灼熱の大地を歩き、私と合流してガリシアの山々を歩いた。私と会った頃には彼は真っ黒に日焼けをしていた。
彼は毎日30km歩く中で自分が確実に西に進んでいること、風景が数日おきに大きく変わっていること、巡礼者が増えてくることを実感しながらひたすら西進を進めた(そうだ)。
ありがたいことに日本・カミーノ・デ・サンティアゴ友の会が基本となるスケジュールを作成してくれている。(こちら)
見るに、毎日どのくらい進んで、どの町で泊まって…ということが分かりやすく整理されている。
しかし、実際にCaminoを始めてみると、大体1日20~25km歩くことを基準としながら「今日はもっと歩けるかもな」「今日は休みたいかも」と思うはず。そうなってくると事前にスケジュールを綿密に考えることはあまり意味を成さない。
30km歩く日もあれば、20kmの日もある。暑くて長く歩けない日もあれば、足が痛すぎて歩けない日もあるだろう。従って、3日後にはこの街にいたいかもな、くらいの気持ちで歩きながらスケジュールを考えるのが良い。幸い、Camino中は歩く以外にやることがない。途中で止まったバルでカレンダーや地図と睨めっこするのが良い。

アルベルゲは全ての街で予約をする必要はない。基本的にはGoogle MapやCamino Ninjaで出ているアルベルゲに自分の足で向かって、直接予約、チェックインを行う。もし気になるようであれば前日に予約する、それで十分である。(Camino Ninjaについては以下の記事で言及)
ただし、先ほど述べた最後の100km(Camino Frances)であれば最後の100km以降は予約を数日前にはしておいた方が安全(特別なホリデーシーズンでもない限り、数ヶ月前に予約をする必要はない)。
人気のアルベルゲは高校生集団が大人数でブッキングしていたりと、当日予約枠が少ないケースもある。
