【Camino de Santiago】サンティアゴ巡礼記#1 – はじめに

サンティアゴ巡礼をする人

2024年9月、私はスペイン、もといキリスト教世界で有名なサンティアゴ巡礼を行った。
日本での知名度はいささか低いと感じているが、Youtubeに全行程を上げてくださっているお方もいる。視聴回数は1万回ほど。おぉ、そんなに興味のあるコンテンツとして受け入れられているのか。

サンティアゴ巡礼に興味を持つにはいくつか超えなければいけないハードルがある。

1つ目はアウトドアが好きなこと。キャンプが好き、なのではいけない。歩くことが好きでなければいけない。

2つ目は海外への抵抗がないこと。後述するが巡礼中は数多の巡礼者との出会いがある。その中で一人孤独に巡礼を完遂することなど全くもって不可能なのである。

3つ目、ホステルに泊まることができること。それすなわち、他の人と同じ部屋で睡眠を貪ることができることである。本気を出せば毎日シングルルームのホテルを探すこともできるかもしれない。しかし、巡礼中そのようなお方は見かけなかった。シングルルームしかダメというあなた、少し厳しいかもしれない。

4つ目、荷物を最小限にまとめられること。もしかしたらあなたは毎日違う服を着たいかもしれない、一眼レフカメラで道中の絶景を写真に収めたいかもしれない、お土産をたくさん買いたいかもしれない。しかし、それを達成するのはなかなか難しいだろう。まず、スーツケースを引きずることは専ら現実的でない。20kmの道のりを毎日引きずるつもりだろうか。

しかし、この点については解消してくれるサービスがある。宿泊先から宿泊先まで荷物を配送してくれるサービスがあるのだ。私も幾度となくこのサービスを利用することになったが、他の人の荷物を見る限り、スーツケースで巡礼に挑もうとするようなピルグリムたちは存在しなかった。

5つ目、本気で巡礼している人たちへのリスペクトの気持ちを持つこと。日本人は基本的に部外者である。歴史的にサンティアゴ巡礼は人生を賭けた宗教イベントとして見なされ、実行されてきた。そこへ、一アクティビティとして我々は参加しようとしているのである。

実際、敬虔なクリスチャンの若者も多くいた。一方、山が好き、アウトドアが好きといった理由で参加している陽気なイタリア人もいた。サンティアゴ巡礼にかける思い、動機は千差万別であるが、本気で参加している人がいる、という事実だけは忘れないようにしたい。

つらつらと書いているが私が参加したのはなんと9日のみ!!である。しかし270kmの道のりを踏破したので、1日あたり30kmは歩いていることになる。

おそらくもう1週間長く続けていたら、またはフランス人の道を35日ほどかけて踏破していたとしたら、私の足は完全に死んでしまっていたかもしれない。日頃運動をしていない体には強烈にダメージを与えるイベントである。

しかしたかが9日間であったとしても、私のこれまでの旅の経験で確実にやってよかったイベントとなった。次の記事から詳細に巡礼の内容について触れていくことにする。

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